帰納法のルール

文章の論理展開には、演繹法と帰納法の2つの方法があります。この2つは一般的には論理学の中で説明され、結論を導き出すための考え方です。

一方で、マンガの神様と評された故手塚治虫さんは、マンガのアイディアの考え方やストーリーの展開方法として帰納法と演繹法を説明しています。

この記事では、帰納法に関して両方の考え方も取り上げていきたいと思います。

 

1、論理学における帰納法とは

帰納とは個別の事柄から共通性を見つけ、一般的な法則を導き出すことです。つまり帰納的に考える方法を帰納法と言います。帰納法で考えるということは、目の前の出来事から共通性を見つけだし、結論(法則)を導き出す力が必要です。

具体的な例で見てみましょう。

チワワは散歩が好きだ。(具体的事例1)

柴犬は散歩が好きだ。(具体的事例2)

ゴールデンレトリバーは散歩が好きだ。(具体的事例3)

したがって犬は散歩が好きだ。(法則)

このような結論の導き方が帰納法です。

帰納法は、導き出される結論は1つとは限らないので、その結論が有意義かというと全てがそうとは言い切れません。

また、帰納法は確率論でもあります。上記の例で考えると、散歩の好きでない犬種がでてくる可能性もあります。全ての具体的事例を挙げている訳ではないので、例外的な事例が出てきた場合には導き出された結論はすぐに覆ってしまいます。

読み手を説得するためには、一般化を急がず、法則性に根拠をだし帰納法を展開しましょう。

 

2、帰納的アイディア出し活用法

故手塚治虫さんはマンガのアイディア出し、ストーリー展開の方法として、

・最後のオチを考えて、それに合わせてお話をつくることである。

・これがこうなっている→そのわけはこうだ。ある出来事は、こういう原因で起こったのだということをたしかめるかたちである。

マンガの描き方―似顔絵から長編まで(手塚治虫著)

このように説明しています。

つまり、結論を先に決め、その具体的な理由や原因でストーリーを展開させていく考え方です。

例えば、

飼い主と離ればなれになってしまった犬が飼い主と再開する(結論を決める)

飼い主との思い出の地に旅立つ(具体的理由の1つ)

離ればなれになってしまった事件について(具体的理由の1つ)

このように先に結末を決めて、それに導くための原因を逆算してストーリーを作っていきます。

 

まとめ

ライターの方々には手塚治虫さんの帰納法の考え方はとても参考になったのではないでしょうか。 マンガに限らず、どんな文書を書く際にも結論(オチ)を始めに考えることは、読み手に文章の目的が伝わりやすくなります。

演繹法との違いを理解し、目的に合わせて文書を書いていきましょう。演繹法に関する記事もぜひお読みください。