演繹法のルール

文章の論理展開には、演繹法と帰納法の2つの方法があります。この2つは一般的には論理学の中で説明され、結論を導き出すための考え方です。

一方で、マンガの神様と評された故手塚治虫さんは、マンガのアイディアの考え方やストーリーの展開方法として帰納法と演繹法を説明しています。

この記事では、演繹法に関して両方の考え方も取り上げていきたいと思います。

 

1、論理学における演繹法とは

演繹とは一般的・普遍的な前提を個別の事柄に当てはめることです。演繹によって論を進める方法を演繹法と言います。一般的・普遍的な前提とは、「物質は必ず落ちる」、「生物は必ず死ぬ」など当たり前のことです。

演繹法において大切なことは前提が正しいことです。例えば「人は食事をとらないと死んでしまう」は正しいですが、「人は朝ごはんをとらないと死んでしまう」は間違いです。前提が正しければ論理は成立しますが、間違っていると論理が破たんしてしまいます。

 

具体的な例で見てみましょう。

子供を産むことができるのは女性だけだ(前提1)

私は男性である(前提2)

だから、私は子供を産むことができない(結論)

前提の順序を変えても結論は変わりません。前提の正しさが認められれば、必ず正しい結論が導き出されます。

裏を返せば、自身の思い込みなど間違った前提を取り上げてしまうと正しい結論を出すことはできません。実際に演繹法を使いこなせるように、まず身近な一般的・普遍的な前提を考えてみてください。

 

2、演繹的アイディア出し活用法

故手塚治虫さんはマンガのアイディア出し、ストーリー展開の方法として、

・お話を最初からいきあたりばったりに考えていくこと

・これが→こうなり→こうなった。あるものが動きだして、とんでもないことになってしまった、というかたち。

マンガの描き方―似顔絵から長編まで(手塚治虫著)

このように演繹法を説明しています。

つまり、キャラクター設定や物語の舞台設定に委ねてストーリーを展開させていく考え方です。

例えば、

不良高校生が野球と出会う

ライバルが登場する

互いに協力して甲子園を目指す

このように、登場人物やイベントに任せてストーリーを作っていきます。どんな展開にも進めることができますが、一方で収拾がつかなくなることもあり、話をまとめる力も求められます。最終的にはどのような結論に導くのかは設定しておく必要があるでしょう。

 

まとめ

一般的にはマンガの書き方はこの演繹法に沿っているように思います。最終的な着地はある程度決めておくものの、帰納法のように結末から逆算するのではなく、設定に任せて論理的に物語を展開させていく。

物語ではなく情報を文章にして伝えるライターの立場としては、なかなか演繹法でまとめるには難しさを感じますが、考え方を理解しておきましょう。

帰納法との違いを理解し、目的に合わせて文書を書いていきましょう。帰納法に関する記事もぜひお読みください。