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「確定申告めんどくさい…」

「誰か代わりにやってほしい!」

「税理士と契約するのって高いし、結局自分でやるしか…」

確定申告が近づくとよく耳にするこれらの会話。実は、確定申告を簡単手頃に専門家にお願いする方法があるんですが、意外と知られていません。

そこで今回、フリーライター1年目の玉寄さんが、確定申告を外部に依頼するということで体験レポートしてもらいました。これから確定申告の準備という方はもちろん、これから独立を検討されている方にも役立つ記事となっているので、是非ご覧ください。

 

ついにやってきてしまった。初めての確定申告

私たちライターを含むフリーランサーにとって、頭の痛い時期がやってきました。

「確定申告」です。

会社員時代は、住宅ローン控除や生命保険控除のための書類さえ探すのが面倒くさかったのに…。税金の申告なんて、何をどうすればいいのかさっぱり分かりません! フリーランスとは名ばかりで、本当は“フリー”ではありません。

今日も締切りに追われて、所得の申告どころではないですよ

「今日も締切りに追われて、確定申告の準備どころではないよーー。」

フリーランス1年目の方は、経理処理に苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。私も毎月の請求書発行だけは、何とかこなしていても、せまりくる「確定申告」は、もう何から手を付ければいいかさっぱり分かりません。

青色申告? 白色申告? 開業届?

実は、私は2014年5月からライター業を開始しているにもかかわらず、2015年が明けるまで、たまりゆく経費レシートを放置し続け、役所への申告手続きなども一切放置していました。(汗)

さて、この領収書の山をどうしよう…

「さて、この領収書の山をどうしよう…。」

そこで今回は、思い切って外部サービスに頼ることに。クラウド会計サービスを行う「メリービズ」と、日本最大級の税理士ポータルサイト「税理士ドットコム」がタッグを組んだ、個人事業主にオススメの「シンプル確定申告パッケージ」にお願いしてみました。

このサービスは領収書や請求書を元に記帳代行をメリービズが行い、そのデータを基に確定申告書類を税理士ドットコムで作成、なんと申告まで代行してくれるというもの。

費用は7万円かかります。初めちょっと躊躇したのですが、税理士さんと顧問契約を結ぶ金額と比較したり、自分でやる手間を考えたりしたら必要な投資だなと思い、申し込み手続き。

申込時に、メリービズ、税理士とそれぞれ電話で要点を確認。有用なアドバイスもいろいろと聞けました。

申し込み時に、メリービズ、税理士とそれぞれ電話で要点を確認。

私「私、何も確定申告の準備していないんですけど、大丈夫ですかね…?」

メリービズ「大丈夫ですよ!封筒を郵送いたしますので、必要書類をまとめてご郵送いただくだけです。」

私「請求書も源泉を引いてあるものと引いていないものがごっちゃで。」

メリービズ「税計算などもせず、そのままご郵送いただければ、担当税理士が正しく記帳してくれますよ。」

私「(・・・神様!)」

 

申し込み時に、メリービズ、税理士とそれぞれ電話で要点を確認。

私「開業届を出しておらず、青色や白色の違いもよく分かっておりません。すいません。」

税理士「ご安心ください。開業届の提出は簡単ですので、ご自身で提出されている方も多いですし、こちらで代行することも可能ですよ。」

税理士「開業届を提出する際に、青色申告承認申請書というものを提出すると、青色申告ができて特別控除として最大65万円を課税対象所得から引くことができるんですよ。白色申告ではその控除が受けられないんです。」

私「な、なるほど(・・・親切!)」

税理士「メリービズさんにて仕訳したデータが届き次第、私が確認いたします。収入の内訳や請負契約についての質問があればお電話での確認、もしくは事業所に来ていただくことがありますが、資料が特段問題なければ、申請が終わった後の確認の連絡までお待ちいただくだけです。」

私「(・・・神様!)」

 

正式に申込み後、必要書類を郵送する封筒が一式届きました。

「仕入請求書」など、ライター業とは関係がないものもあります。

「仕入請求書」など、ライター業とは関係がないものもあります。

 

請求書などを封筒に分けて入れます

「現金で払った経費」「クレジットカードの経費」「銀行通帳のコピー」「請求書・支払調書」などを封筒ごとに分けて、返送してくださいとのこと。

「ふむふむ。これぐらいなら、私にもできますよ。」

 

領収書とレシートは、支払内容や月ごとに仕分けすることもなく、1年分まとめて「ばさっ」

領収書とレシートは、支払内容や月ごとに仕分けすることもなく、1年分まとめて「ばさっ」と入れてOK!

領収書の用途が分かりにくそうなものは、ボールペンで「備品」「打合わせ」など一言追記。

 

通帳のコピーに、内訳を手書き

「通帳のコピーに、内訳を手書きして…。」

私が一番心配していたのは、正式な請求書を作成しないまま、口約束のみで入金が行われていたケース。しかも源泉徴収税が引かれているものもあれば、源泉を引かれないままの金額で振り込まれているものもあります。その金額計算が面倒くさい…と途方に暮れていたのですが、銀行通帳のコピーに手書きで該当入金の横に「請求書なし」と書き足せばOK!これは本当に助かりました。

開業初年度は、開業前に購入したパソコンなど、「開業費」として特別計上できる勘定科目もあるそうですが、シロウトにはその仕分けが複雑なので、丸ごとプロにお任せする方が安心です。

自宅兼オフィスの家賃・光熱費・通信費の計上方法についても、詳細なアドバイスがありました。自宅でオフィスとして使用している床面積に応じて、一部を経費計上できますが、その計算ももちろん代行してくれます。

どうか、還付金がありますように

「どうか、還付金がありますように…。」

申込書への簡単な記入も合わせて、3時間ほどで作業は終了。あとは、資料をまとめて郵送するだけ!

2日ほどでメリービズにて仕訳データが作成され、それがそのまま税理士ドットコムへ共有されます。その後、確定申告書類の作成・申請も税理士さんにすべてお任せ。

後日、申告作業を終えた税理士さんから、還付金、もしくは納付税額の有無について連絡が入るのを待つだけのようです(申告の内容もメール・電話にて共有・確認ができます)。

「らくちん! 本当にらくちん!」

 

外部サービスに確定申告を委託するメリット

個人でやっていたら計上漏れしていそうな経費も、きっちりと計上してもらえるので、かなりの節税効果がありそうです。人によっては、「請求漏れ」「入金漏れ」の発覚につながることもあるそう。

「節税対策には…」「初めての青色申告では…」といった書籍やWEBサイトは多数ありますが、調べてすべてを自分でやると、確実に数日の時間がかかってしまいそう。苦手業務は思い切って専門家に任せて本業で稼ぐ方が、よほど時間の使い方は有意義です!

今日も締切りに追われて、所得の申告どころではないですよ

「確定申告の手間が省けた分、本業の執筆でしっかり稼ぎますよ!」

 

あらかじめやっておけばよかったこと

必死な思いをして稼いだお金たち。節税を考えるのであれば、「開業届」(正式には「事業開始・廃止等申告書」)と「青色申告承認申請書」を開業から2か月以内に行っておくべきでした。

「開業届」とは、簡単に言うと「これから個人事業主として稼ぎます」と税務署に届け出るもの。本来は、開業から1か月以内に提出するものですが、遅れても特に罰則はありません。しかし、開業届を出さないと「青色申告」をすることができないのです。

 

「青色申告」「白色申告」って?

青色申告のメリットは大きく二つ。一つは「特別控除65万円」が受けられること。つまり、今年100万円の所得金額(売上-経費)があった場合、さらに特別控除の65万円を引いた35万円だけが課税対象になるということ。

2点目は、赤字が発生したら、向こう3年に渡り所得金額からその赤字分を差し引くことができること。仮に2014年度の所得が赤字で-30万円とすると、2015年度の所得金額から30万を引いてOK。もし2015年度も2016年度も赤字なら、2017年度まで赤字を繰り越して所得を計算できるということ。

売上の変動が大きいフリーランスの方なら「青色申告」を強くオススメします。

 

まだ「開業届」も「青色申告承認申請書」も出していないなら

2014年度の確定申告(申告期間:2015年2月16日~3月15日)は、おとなしく白色申告をしましょう。そして必ず【2015年3月15日】までに、「青色申告承認申請書」を済ませましょう。そうすれば来年度の確定申告は、青色申告ができます。申告用紙は下記URLからダウンロードも可能です。

・開業届のフォーマットはこちら
国税庁WEBサイト「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

・青色申告承認申請書のフォーマットはこちら
国税庁WEBサイト「所得税の青色申告承認申請手続」

 

まとめ

初年度の一番ややこしいい帳簿をきちんと複式簿記でつけてもらえば、次年度以降は自力で確定申告を乗り切る経理フォーマットのベースにもなります。プロの有用なアドバイスは、今後のフリーランス生活における頼もしい知恵。

本業が忙しい人は思い切って、一度頼んでみるのはいかがですか?

【案内】
税理士ドットコム×メリービズ「シンプル確定申告パッケージ」

(注意)なお、3月16日までの申告期間内に確実に間に合わせたいなら、このサービスへの申し込みは2月24日までとのことです(3月中も受け付けは可能)。

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宮嵜 幸志

株式会社YOSCA 代表取締役 http://yosca.jp/ 東京都生まれ。前職のWEBマーケティング会社にて百を越えるWEBサイトを制作。さらに、数千のWEBサイトの制作指揮を行う。そこで得たWEBライティングの知見を活かし、現在は記事制作代行事業を展開中。また、フリーライターの養成にも力を入れ、執筆スキル向上のサポートなどを行っている。趣味はバスケットボール、読書、海外旅行。