
修飾する言葉と修飾される言葉の距離はできるだけ近づけるのが原則です。
修飾する言葉とされる言葉の距離が離れてしまうと、修飾する言葉がどの言葉を修飾するのかが分かりづらくなってしまいます。
NG例:修飾語と修飾される語が離れてしまっている
私は特にお金をどれだけ稼いだかが人生の目的でないということを伝えたい。
上記の例では、「特に」が「稼いだ」を修飾するのか、「伝えたい」を修飾するのかが分かりづらくなってしまっています。
OK例(1):修飾語と修飾される語をできるだけ近づける
私はお金をどれだけ稼いだかが人生の目的でないということを特に伝えたい。
「特に」と「伝えたい」の距離を近づけました。これによって、「特に伝えたいことがあり、それは〜〜人生の目的ではないということだ」という筆者の意図が伝わりやすくなりました。
OK例(2):読点で区切る
私は特に、お金をどれだけ稼いだかが人生の目的でない、ということを伝えたい。
文章の途中に読点を入れて区切ることで、「特に」がどこを修飾しているのかを分かりやすくしてみました。
基本的には修飾語と修飾される語を近づける方が意味は通りやすくなりますが、読点によって意味が通るようにすることも可能です。
英語のように副詞や形容詞の位置が厳密に定められている言語と異なり、日本語は語順に関して非常に柔軟な言語です。いわばどこに置いても文法としては間違っていないけれども、それが故にどこに置くかは書き手のセンスが問われます。
何も考えずに書いた文章よりは、むしろ何回も書き直しを行い、後からいろいろな語を付け加えたり編集したりした文章こそ、もとの修飾語と修飾される語が離れてしまったということがよくあります。 読み直す際には、修飾語がどこを修飾しているのかが分かりやすいか、修飾語の位置は適切かを確認しましょう。
阿部 道浩
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