1、文章は削ることから始まる
読み手を惹き付ける文章は、無駄な部分を削って磨き上げた先にあります。
文章を書いていると、あれもこれもと盛り込みすぎて、書いている本人は大作だと思っていても、読み手にとっては「何を伝えたい文章なのか分からない」というケースはよく見受けられます。たくさんの情報を知っているからといって、それを全て書くことは自己満足に過ぎません。不要な部分は削って、読み手に役立つ、伝えたいと思うことを一つに絞り執筆することをお勧めします。
一つ例文を見てみましょう。
(削る前)
「この頃暖かくなってきましたね。そこでお休みの日に、お花見をする為家族で公園に行きました。すると、とても大勢のお花見をしている人がいて、ゆっくり過ごすということができませんでした。そして、本当にたくさんの人たちがいたので、人に酔ってしまい気持ち悪くなって、すぐに家に帰宅することにしました。」
(削って修正した後)
「休日に、お花見に家族で公園に行きました。しかし、大勢のお花見客がいてゆっくり過ごせず、人に酔ってしまい、すぐに帰宅しました。」
不要な部分を削った文章は、だいぶ読みやすくなったと思います。
ただし、文章を削ることでシンプルになりすぎてしまい、感情や情景が伝わらない側面もありますので、内容や流れに応じて使い分ける必要が出てきます。小説やエッセイでは常に冗長的な言い回しをしているわけではなく、シンプルに表現する部分と感情豊かに表現するメリハリがあって成立しているのです。
2、文章を削る10個のポイント
- 余分な修飾語
- 繰り返されている言葉(重言)
例:「一番最初に」⇒最初という言葉に「一番」という意味が含まれています。 - 重複表現(同じ内容の繰り返し)
- 「?、!」などの記号
- 「~という」
例:私は犬を飼うということに憧れています。 - 「~すること」
例:車を購入することを決めました。 - 翻訳調の表現
- 接続語
⇒接続後を頻繁に使用すると読みづらくなります。 - 余計な前置き
- 「私は」の頻出
書き終わった文章を削るためには、思い切りが必要です。せっかく書いた文章を削るのはもったいないと考えてしまうかもしれません。しかし、文章を読み返していて「ここはいらないな」と思ったり、「ここは削れるな」と思ったりするところはきっとあるはずです。
文字数が多いことが良い文章ではなく、読み手に分かりやすく、相手の行動を変えるような文章が良い文章なのです。まずは文を削ることから始めましょう。
宮嵜 幸志
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