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「美容」と「求人広告」を得意分野に、女性誌や求人媒体などで幅広くご活躍中の高橋佳代子さん。大学卒業後、いきなりフリーとなった高橋さんは、どのようにして「好き=仕事」にしていったのでしょうか。その道のりやスキルアップ法について教えていただきました。
【プロフィール:高橋佳代子】 大学卒業後からフリーライターとなり、求人広告媒体社などでのアルバイトを経て、2012年に完全に独立。某有名美肌師との仕事で徹底的に美容について学んだことがきっかけとなり、現在「美容」と「求人広告」の二本柱で活躍している。美容薬学検定1級を保持し、薬事法(薬機法)に則ったライティングを得意とし、美容広告の実績が多い。現在広告を中心に、紙・WEB問わず多数の媒体で執筆中。 |
万一、失敗するなら早いうち!未経験で飛び込んだライターへの道
―高橋さんは求人広告の会社で働いていらっしゃったそうですが、ライターになられた経緯を教えてください。
大学卒業後、すぐにフリーライターになりました。最初は食べていけないので、ライターとして生活をするために求人広告の会社でバイトを始めたんです。そこで求人広告の営業や企業へのヒアリングなどの経験をさせていただきながら、フリーでの仕事も増やし独立しました。
―ライターを選んだのはなぜですか?
小、中学校くらいから小説が好きで、文章の世界に憧れていました。大人になるにつれていろんな働き方があることを知り、フリーライターとしてやってみたいなと思ったんです。でも、大学を出て就職しないことには迷いもありました。
女性の転職ってすごく難しいじゃないですか。20代だと未経験でもOKのところもあるけど、30代になると実績を求められます。だったら大学卒業後すぐにフリーライターになって、もしうまくいかなかったら20代のうちに就職すればいいやって。あとで失敗するより、早いうちのほうがリカバーできるかなと思って活動を始めました。
―「美容」を得意分野としたきっかけはなんだったのですか?
かけ出しの頃、某有名美肌師さんのお仕事をいきなりいただけることになったんです。メイクやスキンケアなどはもともと好きでしたが、この仕事で美容について徹底的に教えていただいたことがきっかけで、得意分野になりました。
―どういった経緯でそのお仕事をいただいたんですか?
ネットの求人に応募したんです!実は、面接で失敗してしまって……その日は泣いて帰りましたね。自分のなかの挫折でした。でも、その後、採用の電話をいただいてすごく驚きました!ダメ出しされても必死に食らいついたのが印象に残ったのか、自分にチャンスが巡ってきたことが嬉しかったです。すごく思い出深い私のターニングポイントとなったお仕事で、今の自分の基礎になっています。
このお仕事での実績が当時の私の武器でした。ひとつ実績があると依頼されやすくなるので、美容広告を取り扱っている会社などに売り込みをして、仕事が徐々に増えていきました。
得意分野を仕事にするために必要なことは「とにかく必死に学ぶこと」
―好きなことを仕事にしたい方がたくさんいると思いますが、アドバイスはありますか?
好きなことに対して、とにかく必死に勉強することですね。どんなに好きでもベースとなる知識がなければ書けません。また、知識や資格は信頼性を担保してくれるものでもあります。
私は印刷会社や広告会社出身ではないので、その点では信頼度が低いと思うんです。なので、「好きだけど詳しくはないから、資格を取ろう」とか、「薬事法について少しでも学ぼう」という形で、ひと通りの勉強をするようにしてきました。
資格の勉強って、自分の興味がないところまで勉強させられるんですよ(笑)。でも、そのほうが知識を網羅できるので、結果として仕事につなげやすくなっていると感じます。
―ご自身の強みは何だと思いますか?
化粧水や美容液、乳液などの基礎化粧品をはじめ、美容の基本知識を勉強してきたことです。薬事法を学んだことも大きいですね。薬事法の講座を受けたか受けてないかでは、雲泥の差があったと感じます。1を10にすることはできるけど、0を10にすることはできないじゃないですか。0から1にするように、今後もいろいろな知識をつけていきたいですね。
昨今のライティング業界の事情と執筆のコツ
―昨今の、医療系を筆頭に正しくない情報記事や、法律を逸脱したライティングの流れを受けて、業界内では変化を感じていますか?
業界がピリッとしている感じはあると思います。「ちょっと厳しくなりました」みたいなことを言われることもありますし。ただ、キュレーションサイトで起きていたことは、私の分野とは違う世界で起きていることなのかなとも思っています。
美容広告は薬事を確認する専門の担当の方がいて、必ず厳しいチェックをして、やっと世に出るものなので、チェックをされずに世に出てしまう記事は怖くてできないなと、より実感しました。
―執筆する際はどんな点を意識していますか?
美容広告に関して話すと、薬事法に則ることは大前提として、ターゲットがどういう悩みを抱えているのかを考えて書いています。読者にどんなメリットがあるかをしっかり押さえないと、全体的にふわっとした広告になってしまうので、その点を心がけていますね。
あと、推敲の際にWordの「読み上げ機能」を使っています。読むのと聞くのではニュアンスが違うし、目だけじゃ追いきれないミスを防げるので絶対やったほうがいいです!使うようになってから、誤字脱字がほぼなくなりました。
「広告が好き!」人のご縁と探求心が新たな仕事を引き寄せる
―広告記事の仕事は紹介で回ってくることが多いんですか?
紹介もありますが、売り込みのほうが多いです。出会ったライターさんや編集さんからお仕事をいただくこともありますが、基本的には売り込みで、そこからご縁が広がっています。
―駆け出しの頃の某有名美肌師の方をはじめ、よいご縁がたくさんあったんですね。
文章の書き方とか、アドバイスをしてくれる編集者さんと出会えたのもよかったです。自分の記事がダメだと「もう仕事をもらえない」って思うじゃないですか。そうじゃなくて、必死に食らいついたのが功を奏したのか、こうしたらもっと良くなるとか教えてくれる方が多かったのが、今に活きていますね。
―これから学んでみたいことはありますか?
今メイクページの仕事をしているので、メイク方面を学びたいです。美容雑誌を毎月読んでトレンドやハウツーを勉強したりはしているのですが、メイクって文章にしようとすると表現が難しいんですよね。
あとは、美容でまだ書いたことがない分野とか、知らない分野にも取り組みたいです。好きなのはもちろんですが、トータルで知識を持っておきたいっていうのもあります。何事も、お仕事をやる上で知っておいて損になることはないと思うんです。
―最後に、今後の展望をお聞かせください。
得意分野の美容広告でのお仕事を広げていきたいです。広告が好きなんですよね。自分の書いた広告の商品が完売したって聞くと「やったー!」って。そういうのが嬉しいんです。特にスキンケアコスメとか化粧品関係が好きなので、そこを増やしていきたいですね。
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撮影協力:BOOK LAB TOKYO
撮影:@miya___miya
西てるほ
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