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「自分のやりたいことを仕事で実現できている」と言うフリーライターの小林香織さん。取材相手や編集者、読者に喜ばれる仕事の取り組み方や、自分の個性を輝かせ、ライターとしての理想を叶えるためにはどうしたらいいか、将来実現したいライフスタイルなど、小林さんに赤裸々に語っていただきました!

【ライター小林香織】
プロフィール:エンタメ系の企業で制作ディレクターとして働きながら、宣伝会議の編集・ライター養成講座に通う。卒業後、兼業としてニュースメディアでのライターとして活動を始め、2016年にフリーライターとして独立。本名の「小林香織」と「恋する旅ライターかおり」を使い分け、人物インタビュー、働き方を含めたライフスタイル、旅、恋愛、体験記などの執筆を中心に幅広く活躍している。

やりたいことは口に出す!好きな仕事を獲得する秘訣は「実績のアピールと熱意」

―ライターになった経緯を教えてください。

私は長い間、エンタメに関わる仕事をしていましたが、業界でありがちな「儲け第一主義」のような感覚がどうしても合わなくて……。

一生できる仕事を求めていたときに、時間や場所を問わずに働くことができる、そして世の中にメッセージを届けることができるライターに強い興味を抱きました。そこで、まずはライターの仕事を学ぼうと思い、宣伝会議の編集・ライター養成講座に半年間通い、その後、ニュースメディア「しらべぇ」のライターコンテストで入賞して、ライターの道を歩み出したんです。

―講座修了後、まずは副業でライターとして活動し始めたそうですが、ライター業を始めるにあたって、当時意識していたことはありますか?

当時の報酬ではライター一本に絞るのはとても無理だと思ったので、単価を上げるためにインタビュー記事の実績を増やしました。単価が安くてもインタビュー案件を受けて、一つまた一つと実績を増やし、それを武器に新規案件を獲得して。

書きたいと思った媒体に自ら声をかけていたところ、女性向けメディアの「ウートピ」をはじめ、どんどん仕事の幅が広がっていきました。そして、2016年の頭に30%ほどの「イケる」という自信だけで、フリーライターとしての独立を決めたんです。

ほぼ勢いだけで独立して本当に良かったと、今ではあのときの自分を褒めてあげたいぐらい(笑)

―フリーになりたての時の生計状況はどのようなものでしたか?

書いた記事の報酬がすぐに入ってくるものばかりではなかったので、最初の3ヵ月ほどは安定していませんでしたね。ただ、私の感覚ではWEB記事の案件は支払いサイクルが短いので、継続して仕事をいただけていれば割と生計を安定させやすい気はしています。

もともと副業で仕事をいただいていたこともあり、フリーライターになって3ヵ月ほどで、会社員時代と変わらない一定の収入を保てるぐらいにはなりました。

「ワクワクできないこと」は勇気を出して断る!そこから広がる無限の可能性

―3ヵ月で安定したのは早いですね! 仕事を獲得するためにはどうしたらいいのでしょうか?

やりたいと思ったら怖がらず、素直に「やりたい」と発信することを大切にしています。私は、たいして旅関係の実績がない頃から「恋する旅ライター」と名乗って、「旅関係の仕事をしている人」というブランディングをしていました。それが功を奏して、ここ1年ほどで旅関係の執筆依頼がグッと増えました。

そして、編集さんやインタビュイーさんに喜ばれる、自分がより熱意を込めて書けるジャンルを見つけられると、成長スピードは早いと感じています。好きになると夢中になってのめり込むのと同じです。

「どうしたら読者にもっと伝わるか」「どうしたら読者の人生に良い影響を与えられるか」を真剣に考え言葉に魂を込める、そのエネルギーから良い作品が生まれ、結果、ライターとしての価値も上がるのだと思います。

私の場合、自分の想いやキャラが強いのがわかっているので、生き方に深く共感する方のインタビュー記事や自分のキャラ(世界観)を生かせるような記事を増やすように心がけています。

逆に言うと、ワクワクする気持ちが湧かず「私よりも適任がいるだろう」と思う仕事は勇気を出して断ります。ある程度、実績を積んだ今だからこその選択ですが、私がやるべき仕事が絶対に舞い込んでくるはずだと信じる。タフなハートが必要ですが、実際、本当にワクワクする仕事がくるんですよ。

それに自信がつけば、自分で仕事を生み出すこともできるようになります。

―原稿料もどんどん上がっていったのでしょうか?

割と順調にステップアップしてきたほうかもしれません。原稿料を上げるには、経験値を増やして、自分に自信を持つことが大事かなと思います。ライターの報酬はピンキリで、だからこそ自分の価値を自分で見極められないと、ガムシャラに働いても稼ぎにならず疲弊することになりかねません。

「私はこんな貢献ができる」という自分の価値を見極めることができれば、強気での交渉もできます。それが原稿料を上げるために必要なことかなと思い、実行しています。

―自分の感動を読者に伝えるコツはありますか?

体験記の場合は、セリフを入れて空気感を伝える、自分の言葉で飾らずに書く、描写を丁寧に書くことの3つに気をつけています。インタビューのコラム記事の場合は徹底的に相手にのめり込み、その方になりきって書くことですね。

相手に「あなたの生き方が好きだ」と惜しみなく伝えることで、彼らは本心を打ち明けてくれます。あとはより強い印象が残りそうな表現を、時間が許す限り考察します。

―得意分野の磨き方やテクニックがあれば教えてください。

これは私ならではかもしれませんが、深く共感できる方、強い興味を抱ける方、仲良くなりたいと思う方のインタビューを重ねていくうちに、自然とスキルが高まっていった気がしています。

インタビューにおいては情報収集が重要ですが、好きな人や興味がある人だったら時間を取ろうとしなくても夢中になって調べるじゃないですか(笑)。

そういう相手と関わる時間を増やしていくと、何よりも充実度が増していき、自分の価値も評価してもらいやすいなって。究極のワガママですが、「自分がワクワクできることしかやらない」、これを貫けたら最高にスキルアップできるだろうなと思います。

ライターの枠に留まらず、自分がありたいと願うライフスタイルで生きていく!

―ライター業の好きなところはどこですか?

行きたい場所に行って、会いたい人に会えるところです。取材を通じて大切なつながりがどんどん生まれます。あとは、伝えたいメッセージをダイレクトに言葉で伝えることができるところや、時間や場所を気にせず執筆ができ、自分らしいライフスタイルを選びやすいところ。ライターの仕事は好きなところだらけです!

―仕事が好きと言い切れるのは素敵ですね!一方で、ライターとして苦労したことや大変だったことはありますか?

どうしても納得できる文章が書けず、追い詰められるとき。日々、日本語って難しいなと痛感しています。WEB記事、雑誌、テレビ、映画、人との会話など、あらゆるところから語彙力や表現力を養っていますが、まだまだです。言葉を自由自在に操れる魔術師になりたい(笑)。

―これからどのようなライターとして活躍していきたいですか?

「誰もが個性を輝かせ、自由なライフスタイルを選びとれる世界を創りたい」、それが私がライターを通して実現したい、一番の願いです。

生き方が多様化している現代において、道標を見つけられていない人、人生にワクワクできていない人に「生き方って人の数だけあって、自分にとっての正解を見つければいいんだよ」、「あきらめなければ、自分の個性を輝かせて生きられる道に出会えるよ」と伝えたい。

私は約15年間の会社員時代、6回転職し、どこの会社でも絶対に一定ライン以上にいけないダメ社員でしたから(笑)。フリーライターというワクワクできる生き方を見つけられた今は、心から自分を信じられるようになりました。

将来的にはライターの枠に留まらず、「稼ぐ」ことよりも、「好き」や「ワクワクする気持ち」を価値基準に置いて仕事をしていきたいですね。もう、心からやりたいことはお金をもらわなくてもいいかなと思うぐらい。それが誰かにとって価値になれば、自然とお金はついてくると信じられるので。

今もちょうどイベントのプロデュース兼司会進行を務める企画を進めています。また、書籍の企画書を作成して、売り込みも始める予定です。毎日ワクワクして生きている今の状態が最高に幸せ。このHappyの感覚は周囲に伝染して、大切な人たちも幸せに導くことができるなって思います。

この感覚を知ってしまったら、もうやめられない。いけるところまでどこまでも、好きとワクワクを突き詰めていこうと思っています。

―ライターを目指す人に一言お願いします。

フリーライターは、自分次第で何者にでもなれると思っています。だからこそ、「何のためにライターになりたいのか」「自分はどうありたいのか」を常に自問自答しながら、最幸の道を探し求めてほしい。

そうすれば絶対に、自分を一番に輝かせられるライフスタイルが見つかるはずだから。自分の可能性を誰よりも信じてください。これを読んでくれた方が勇気の一歩を踏み出してくれることを心から願っています!

ライターにオススメしたい書籍

『スヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと』チャールズ M シュルツ
本好きの友人から、「私が好きそう」だと勧めてもらった1冊。シンプルで短い言葉が、ストレートに心に刺さります。初めて読んだとき、心がじわっと温かくなって、思わず涙がこぼれました。いつ、どんなときに読んでも、心に刺さる。そんな言葉を生み出せるライターになろうと、改めて思った大事な1冊です。

撮影協力:BOOK LAB TOKYO
撮影:@miya___miya

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