表現力を上げる修辞法

文章に豊かな表現を与えるために言葉を工夫する方法を修辞法といいます。

修辞法を覚えて使いこなせるようになると、物事をいろいろな形で書き表すことができるようになり、表現の幅が広がります。この記事でさまざまな修辞法に触れ、ライターとしての実力を上げましょう。

 

1、比喩

比喩というのは、物事を関連する別のものに置き換えて表現する技法です。

比喩であることを読み手に明らかにする技法は直喩法といいます。「まるで~だ」「~のような」「~のごとく」などといった言葉で表します。

(例) まるで太陽のように明るい笑顔だ

 

それに対して、比喩であることを読み手に明らかにせずに喩える隠喩法という技法もあります。

(例) あなたは私の太陽だ

一見して比喩であることがわかりにくいため、実用的な文章の中で使うときには注意が必要ですが、心に訴えかける力が強い表現です。

 

また、誰でも知っている寓話やことわざなどを用いて、言いたいことを推察させる技法もあります。

(例) それは豚に真珠である

この例では、「豚に真珠」ということわざを用いて「値打ちのわからない者には高価なものを与えても意味がない」ということを表しています。このような比喩が通じるためには、読み手がその寓話やことわざを知っていなければなりません。

 

これと似た技法として、

(例) 青い目の男が隣に引っ越してきた (青い目=西洋人)

 というように、物事をそれと関係のある別の物事で表す技法もありますが、この表現が通用するのは「青い目を持っているのは西洋人である」という共通認識があってこそ。省庁や官僚のことを「霞ヶ関」と表したり、徳川幕府を「葵の御紋」で表現したりすると、文章のおもしろさは増しますが、読み手が理解できなければ意味がありません。誰に向けて書いている文章なのかを充分に理解して使いましょう。

 

2、擬人法

人間以外のものを人間にたとえる技法を擬人法といいます。

(例) 鳥が歌う

喩えられたもの(上の例では鳥)が、より身近に生き生きとしているように感じられる表現方法です。

3、オノマトペ

オノマトペとは擬音語・擬態語のことです。「ニャーニャー」「ドキドキ」「ポトリ」「フワフワ」など、日本語にはたくさんのオノマトペがあります。オノマトペは多用し過ぎると子どもっぽい文章になってしまうきらいがありますが、適切に使うと読み手にイメージが伝わりやすい便利な表現です。

(例)雨がザーザー降る / 雨がシトシト降る / 雨がポツポツ降る

これらはすべて「雨が降っている様子」を表していますが、オノマトペが加わることによって雨の降っている様子がより具体的にイメージできることがわかります。

 

4、強調に関する修辞法

物事を強調したいときにもいくつかの表現方法があります。

何か物事を形容するとき、実際よりも大きく、または小さく表現する誇張法では、

(例) 岩のように固い身体 / 触れたら折れそうな細い身体

というように「固い」「細い」という形容詞を強調することができます。

また、同じ言葉や似た表現を繰り返したり、

(例) 暑い暑い夏

言葉の順序を逆にしたりするのも、強調したいときには有効です。

(例) あなたは言う。幽霊は存在すると。

ただし、これらは少々口語的になってしまうことがあるため、注意しなければなりません。

 

その他には、自分の判断とは反対の内容を疑問形で述べる反語法という技法があります。

(例) あの先生がそんなことをするだろうか。(=するはずがない。)

強調表現を使えるようになると、自分が一番強調したいと思う部分に相手の注意を向けさせることができます。

文章の基本を学んで余裕が出てきたら、これらの技法に挑戦し、文章の表現の幅を広げましょう。