二重否定を理解しよう

二重否定とは否定の言葉を二回重ねる表現手法で、強調や婉曲の意味で用いられます。「~しないこともない」、「~ないとも限らない」などが例として挙げられます。

二重否定は口語などで好んで使われますが、レポートやニュースなどの客観的な文章においては使用しないのが一般的です。それは何故でしょうか。

【理由その1】曖昧さを残す

二重否定は、どっちともとれるような曖昧さを文章に残してしまいがちです。

例えば、「その作品は悪くないこともない。」という文を考えてみましょう。この文からは、その作品は悪くないけれど、普通~良いのどこかということが伝わりますが、今ひとつはっきりしません。試しに二重否定を取り除いて書いてみようとすると、下記の3パターンに言い換えられてしまいます。

  1. その作品は悪くはない。
  2. その作品は普通だ。
  3. その作品は良い。

このように、二重否定では1つの文に2つや3つの意味を内包してしまう、極めて紛らわしい表現であるといえます。

 

【理由その2】回りくどい表現である

二重否定は、シンプルに書けるところを回りくどく表現してしまいます。

例えば、「A君がいなければ、この学園祭は成功しなかった。」という文について考えてみましょう。A君の功績を強調するためにあえて二重否定を用いていると考えられますが、事実を伝えるという点でいえば少々回りくどい表現になってしまっています。こちらもA君に語りかけるならともかく、事実を端的に伝えるためには「A君のおかげでこの学園祭は成功した。」とシンプルに書いた方が分かりやすいでしょう。

最後に

二重否定の使用そのものを否定するつもりはありません。しかし、ここで紹介したように二重否定を用いた場合は意味が曖昧になったり回りくどい表現になったりしてしまうというリスクがあるため、使用する場面によっては控えた方が良いことがあります。

その場合は、二重否定を用いず素直に肯定的な表現をした方が良いでしょう。