句読点の位置で文章をコントロール

読点「、」を打つとき、あなたは何に気をつけて打っていますか?何となく、フィーリングで打ってる人が多いかと思います。実際、読点の打ち方に厳密な決まりがあるわけではありません。ライターそれぞれの感覚的によることろも多いです。

もっとも重要なことは、読点を打つ目的を理解することです。それは「読みやすい文章にすること、誤読を防ぐこと。」

この記事では、読点の打ち方における基本的な考え方と、6つの原則を具体例を交えて紹介していきます。

 

読点の打ち方

1、文章を文節で区切ろう!

適切な読点を打つために、文節で文章を区切っていきます。
まずは下記の文章を見てください。

富士山は世界遺産に登録されている日本を代表する観光資源です。

この文章を文節で区切っていきます。
「文節」は国文法用語ですが、難しく考えることはなく、簡単に説明すると「〜ね」を入れられる場所で切るやり方が最も簡単です!

「富士山は」「世界遺産に」「登録されている」「日本を」「代表する」「観光資源です。」

「富士山はね」「世界遺産にね」のように文節で区切ります。

 

2、文節同士で係っている文節を見る

次は文節同士で「関係が近いもの」を探していきます。

  • 「富士山は」
  • 「世界遺産に」
  • 「登録されている」
  • 「日本を」
  • 「代表する」
  • 「観光資源です。」

今回の文章には、文節が6つあります。それぞれの文節に一番関係が近いものをあてはめていくと、下記のようになります。

  • 「富士山は」 → 「観光資源です」
  • 「世界遺産に」 → 「登録されている」
  • 「登録されている」 → 「観光資源です。」
  • 「日本を」 → 「代表する」
  • 「代表する」 → 「観光資源です。」

上記のように、文節に一番近い関係で、一番意味がつながる文節を探してみました。

 

3、文節の「距離」を見極める!

いよいよ文章に「読点」を打っていきます。
まずは、先ほど文節同士の関係が近いものを探しましたね?
それらを使っていきます。

各文節を文章の先頭から「1〜6」とした場合、

  • 1、「富士山は」 → 6、「観光資源です」
  • 2、「世界遺産に」 → 3、「登録されている」
  • 3、「登録されている」 → 6、「観光資源です。」
  • 4、「日本を」 → 5、「代表する」
  • 5、「「代表する」 → 6、「観光資源です。」

となります。

読点を打つ箇所は、【関係が遠い文節の、前の文節の直後】です。

関係が遠い文節というのは、先ほど「1〜6」の番号を付けましたが、数字が離れていれば離れているほど、文章の中で文節同士の距離も離れていますよね?

例えば
・1、「富士山は」 → 6、「観光資源です」
・2、「世界遺産に」 → 3、「登録されている」
を見てみると、
「1」の関係する文節は「6」なので5つ離れていることになります。
「2」の関係する文節は「3」なので1つ離れている(隣り)ことになります。

この要領で文章全体を見てみると、一番離れているのが、
1、「富士山は」 → 6、「観光資源です。」
で3つ離れています。次点が、
3、「登録されている」 → 6、「観光資源です。」
になります。

これで「関係が遠い文節」を探しました。あとは「前の文節の直後」に読点を打てばOKです!
1、「富士山は」 → 6、「観光資源です」の前の文節は、「富士山は」ですので、その直後に読点を打ちます。

「富士山は、世界遺産に登録されている日本を代表する観光資源です。」

文章の一文が長い場合など、もう1つ読点を打ちたい時は、次点に挙げた、
3、「登録されている」 → 6、「観光資源です。」
を使い、読点を打ちます。

「富士山は、世界遺産に登録されている、日本を代表する観光資源です。」

このように文章の長さや構成によって、読点を増やしたり減らしたりして、文章を読みやすい形に近づけます。
「どうしても読点が打てない!」または「読点が多すぎる!」と感じたら、まずは文章全体を見直しましょう。

 

読みやすくする読点の6つの原則

読点の打ち方について解説してきました。しかし、文章を書く度に読点のことばかり考えてはいられません。そこで、6つの具体例を元に読点の打ち所の原則をみていきましょう。

[長めの主語を際立たせる]

  • NGの例  明確で次に繋がるような意見を求められている。
  • OKの例  明確で次に繋がるような意見を求められている。

 

[原因と結果の関係を明確にする]

  • NGの例  学校を休んだためテストを受けられなかった。
  • OKの例  学校を休んだためテストを受けられなかった。
    (こうした短文が続く場合は、読点がない方が読みやすいケースもあります。)

 

[逆説の関係のあいだ]

  • NGの例  彼は勉強はできるがスポーツはできない。
  • OKの例  彼は勉強はできるがスポーツはできない。

 

[対等な関係の物事を並列する場合]

  • NGの例  花はかわいらしく山も壮大で川は澄み切っていた。
  • OKの例  花はかわいらしく山も壮大で川は澄み切っていた。

 

[ひらがなが続いて読みにくい場合]

  • NGの例  ここではきものをあずけてください。
  • OKの例  ここではきものをあずけてください。

 

[直前の言葉が直後には、かからないことを示したい場合]

  • NGの例  父は楽しそうにはしゃぐ孫を眺めていた。
    (このままだと、楽しそうなのが父なのか孫なのか分かりません)
  • OKの例  父は楽しそうにはしゃぐ孫を眺めていた。

このように意味のある読点を打ち、読み手に伝わりやすい文章にしましょう。