エンタメ系の分野に強くキャスティングもこなすライターの田中さん

エンタメをはじめとするライティングのほか、モデル・タレントのキャスティングなど、幅広い業務で日々忙しく過ごすライターの田中利知(としちか)さん。ライター業を効率的に進める独自の仕事術や、仕事のモチベーションとなっている想いなどについてお話を伺いました。

【ライター田中利知】
プロフィール:営業マン、芸能事務所にて企画運営・タレントキャスティングなどを経験した後、株式会社ネイビープロジェクトを設立。ライターのほか、モデル・タレントのキャスティングディレクターなど幅広く活動中。

エンタメ業界で求められる企画力を求めて編集・ライター講座へ

―エンタメ業界をメインに活動されていますが、どういった経緯があるのでしょうか?

新卒時は営業職として働いていました。自分の強みは勢いや人当たりの良さ、メンタルの強さだと考えていて、関東の新人で1位になる成績を残すこともできました。しかし、実は物心ついた頃からエンタメの世界に興味があり、大学でもマスコミの勉強をしていたんです。

特にテレビなどのマス媒体への関心が高く、テレビに出ている著名人たちと一緒に仕事がしたいと思っていました。ミーハー心の延長ではありますが、ファンとしての活動を楽しみたい訳ではなく、エンタメの世界にいる人たちと同じ立場で一つのゴールを目指すという関わり方をしたかったんです。そこで芸能事務所に転職し、タレントのキャスティングやイベントの企画など、エンタメに関わる幅広い業務を経験しました。

キャスティングもこなすエンタメライターの田中さん

―その後、どのようなきっかけでライターとして活動するようになったのでしょうか?

宣伝会議の編集・ライター養成講座に通ったことがきっかけです。当時、芸能事務所を退職し、フリーランスでエンタメ系の様々な仕事をするようになっていたのですが、事務的で単調な作業を引き受けることも多くありました。僕はもっとクリエイティブで、企画力が問われるような仕事がしたいと思っていたのですが、もっとスキルを磨く必要があるとも感じていました。

さらに、芸能事務所でキャスティングの仕事をしていた時、「このタレントを起用してください」と営業しても、そのタレントをどう起用すれば良いのかわからない人が多く、企画と一緒にタレントを売り込む方が効率的だとも感じてたんです。

こうした考えや経験から、企画力を身に付け、キャスティングの仕事に活かしたいと思い、編集・ライター養成講座に通うことにしました。

卒業制作では、インディーズデビューするバンドマンの友人をインタビューした記事を書きました。この取材がきっかけで、ライブのレポートやバンドのリリースなどを書く機会もいただき、どんどんエンタメ系の記事に関わるようになっていきました。また、ビジネス分野などエンタメ以外の記事も講座の繋がりから相談されるようになったんです。

SNSを活用したエンタメ業界情報収集術とタイトル付けのコツ

エンタメライターの田中さんから学ぶ生産的な仕事術

―現在のライターとしての仕事内容を教えてください。

一番関心があるのはやはりエンタメ系ですが、幅広い案件に携わっています。もともとエンタメをはじめとする面白い人と仕事をしたいという思いで会社を始めたので、仕事は「何をやるかより、誰とやるか」というスタンスなんです。エンタメからビジネスまでジャンルは問わず、面白い人の話を聞きに行っています。

―エンタメ業界の最新情報はどのように得ていますか?

一例としては、ドラマやバラエティなど様々なテレビ番組を、録画してCMスキップ&2倍速で観ています。これは芸能事務所時代からやっていることなんですが、概要をざっと知ることができる上、半分以下の時間で視聴することができます。

また、旬な俳優をチェックするために、ドラマは観られるだけ観ていますね。実はレコーダーを2台持っていて、録画できるだけ録画するようにしているんです。今どんな人が話題なのか分かり、業界の人と共通の話題ができるので、とても役に立っています。

そのほかに、SNSはこまめにチェックしていますね。気になった人はフォローし、空き時間によく見ています。タレントや読者モデルの情報だけでなく、拡散の仕組みやトレンドもわかってくるので、仕事に活きてきます。その代わり、SNS疲れは凄まじいですが(笑)。

エンタメライターの田中さんから学ぶ生産的な仕事術

―記事を書く上で、特に意識していることは何でしょうか?

記事を拡散させたいので、タイトルの付け方にはこだわっています。クリックを誘引するようなワードは、意識して入れるようにしていますね。中でも好きなワードは「こう」という言葉です。「こう書く」「こうすれば」などと使われる「こう」ですね。

それ単体では本来は意味のない言葉ですが、例えば「イケメン社長の休日の過ごし方」よりも「イケメン社長の休日はこう過ごす」の方が、「どう過ごすんだろう?」って気になるじゃないですか。シンプルですが人を惹きつける力を持っている、好きな言葉です。

―キャスティングの仕事もしながらのライター業は忙しいと思いますが、どのように両立されていますか?

以前、撮影の現場にいた時、どうしても原稿を書かなければならず、スマホで原稿作成したことがありました。スマホはパソコンと同期しているので、自宅に帰ってからすぐに仕上げの作業に取りかかることができます。以来、この方法はよく取り入れています。

また、スマホの音声機能を使って喋りながら文字入力することもありますね。パソコンで打ち込んだ方が早いかもしれませんが、こっちの方がすき間時間でできたり、体力的な負荷が少ないのでよくやっています。

クライアントに早めの納品日を宣言し、仕事を加速させる

キャスティングもこなすエンタメライターの田中さん

―仕事をする上でのポリシーは何でしょうか?

聞かれる前にやることです。クライアントに「いかがでしょうか?」などと聞かれる前に先手を打つことを意識しています。こうすることで相手に「この案件は心配要りませんよ」という安心感を与えることができるんです。

普段私がやっていることの一つに、自分で決めた前倒しの〆切をクライアントに伝えることです。無理なスケジュールを立てる訳ではなく、自分の中で最短の締め切りを見積もります。例えば、月末〆切と言われていた案件を「28日に出します」と宣言し、自分にプレッシャーをかけるんです。自分で言った以上、守らなければ信頼を損ねるので、有言実行するために緊張感が生まれ、結果的に仕事が進みます。

会社員時代は、できるだけリスクを下げるため、間に合わなかった時のことを考え、逆に納期をできるだけ延ばすように教えられました。しかし、今のやり方の方が自身のモチベーションも効率も上がるので、合っているんだと思います。

キャスティングもこなすエンタメライターの田中さん

―最後に、田中さんの今後の目標を教えてください。

目標はたくさんあります。ライティングのスキルをもっと磨き、一つでも多くのバズ記事を生み出す人になりたいです。ゆくゆくは自分の考えなどをまとめた書籍も出してみたいですね。また、ライターの仕事を通してもっと多くの人と知り合いたい。僕の書く仕事が、モデルさんなどの活躍・発信の場になったら嬉しいので、もっと多くの演者さんが活躍できる企画を創って増やしていきたいと思います。

ライターにオススメしたい著書

『中学生からの作文技術』本多勝一
大学時代、元記者の教授に薦められて読んだ本です。日本語の文法を色々な実例を交えて紹介しています。僕は文章を書く上で構造を重視しており、英語の文法のように日本語にも公式が欲しかったので、正にうってつけの1冊でした。「中学生からの」というタイトルも入りやすくて良い感じです。

撮影協力:BOOK LAB TOKYO
撮影:@miya___miya