ブックライター・上阪徹さんに学ぶライターの脱「洗脳」の秘訣※当記事は、2017年5月22日に開催された「第6回ライター勉強会」の内容を元に作成しています。当日の模様は、株式会社YOSCA公式ブログをご覧ください。

「ライターとはこういうものだ」「執筆とはこういうものだ」という固定観念に縛られていませんか? あなたも気づいていないだけで、知らず知らずのうちに洗脳され、成長を阻害しているかもしれません。

今回、20年以上フリーランスとして活動する凄腕ブックライター・上阪徹さんから、「脱洗脳」をテーマに、上阪さんが今のキャリアを築き上げるに至った秘訣を2つご紹介します。

書くのも読むのも嫌いだから洗脳されなかった

「書くのも読むのも好きではない」からこそ今のキャリアを築けたと語るブックライターの上阪さん

あなたは「ブックライター 上阪徹」をご存知でしょうか?
累計40万部を超えるベストセラーとなったインタビュー集『プロ論。』(徳間書店)シリーズを筆頭に、『AERA』(朝日新聞出版)、『週刊現代』(講談社)、『就職ジャーナル』(リクルート)などの執筆を手掛けています。

その他、著書に『〆切仕事術』『「聞き方」を変えれば、あなたの仕事はうまくいく』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『成功者3000人の言葉』『職業、ブックライター。』『書いて生きていく プロ文章論』など20冊以上、インタビューで書き上げるブックライター作品も60冊以上を数え、今は月に1冊のペースで本を書かれています。

さらに、「上阪徹のブックライター塾」を開講し、書籍化のハウツーを伝授、多くのブックライターを世に輩出するなど、ライター界のカリスマ的存在として知られています。

しかし、上阪さんは「書くのも読むのも好きではない」と断言します。上述の華々しい活躍を見ると不思議に思いますが、「好きじゃないからこそ、幸運にも洗脳されずに執筆できた」と話します。

【脱洗脳1】上手な文章を書こう、としてはいけない

ブックライター・上阪徹さんに学ぶライターの脱「洗脳」の秘訣

これは書くこと・読むことが好きな人が陥りやすい落とし穴です。文章が好きな人は「上手な文章を書くこと」が目的になりやすく、内容や構成がおろそかになりがちです。しかし、読者が求めているのは、文章のうまさではなく内容です。

上阪さんは、「読者は潜在的に『読むのは面倒だから、できれば読みたくない、ただ知りたい』と思っているだけなのです」と話します。「うまく書こう」「うまくまとめよう」と思わずに、読者が求める情報、読者に与えたいベネフィットを厳選し、読みやすく整えるなどの工夫が必要なのです。

そして、読みやすさは構成で決まります。構成のコツは、目の前に読者がいるイメージで「話すように書く」こと。ただ事実を羅列するのではなく「どういう流れで説明したら正しく、分かりやすく伝わるか」を考え、しっかり構成を組んでから書きます。

原稿は書く前の準備が8割。まずは設計図を作り、ストーリーを描きましょう。そうして初めて、読者がワクワクする原稿が出来上がります。

文章は不便な道具です。書くよりも話した方がはるかに早く、細かいニュアンスまで伝わります。文章で伝えるためには、ライターが「文章は使い勝手の悪い道具である」と認識し、謙虚な気持ちで執筆しなければなりません。

【脱洗脳2】キャリアをつくろう、としてはいけない

ブックライター・上阪徹さんに学ぶライターの脱「洗脳」の秘訣

ライターとして独立している方のなかには、今後のキャリアについて悩んでいる方が多くいます。しかし残念ながら、キャリアアップの方法をいくら考えても答えは出ません。

上阪さんは、キャリアにこだわっていたら今はないと話します。
「本を出したいなんて夢にも思っていなかった。マーケットの流れに身を委ねたら、大きなところに流れ着いた。身を任せたからこそ、予想もしない未来に連れてきてもらえた。今考えられるキャリアなんて小さいもの。だから、とにかく目の前のことを一生懸命やる。それは必ず何かにつながっていく。

あれこれと計算する前に、目の前の仕事に真摯に取り組むべきです。
「締め切りを絶対に守る」「発注者、読者の役に立つ仕事をする」「小さな仕事でも全力を出す」「質を保つために仕事を無理に受けない」など、仕事の基本をおさえることが何よりも大切なのです。

上阪さんは同業者と深いかかわりを持っておらず、ライターの友人もいないそうです。それでも、目の前の仕事に丁寧に取り組み、ひとつひとつの縁を大事にしていった結果、次から次へと仕事が舞い込むようになりました。一度も営業したことはなく、紹介だけで新しい仕事の依頼が来るそうです。

同様に、売り込みも基本的にNGです。(編集者との関係性が構築できていない状態で)編集者にアピールするライターは多くいますが、編集者の立場に立って考えてみると、一方的にアピールしてくるライターはあまり魅力的に感じられませんよね。

「自分のやりたいこと=世の中に求められること」ではありません。「自分がやりたいこと」を伝えるのではなく「出版社、編集者側がやりたいこと」をヒアリングしましょう。相手の希望に応えられる力を持っていれば、必ずオファーがやってきます。キャリアは自然とつくられるもの。焦りは禁物です。最強の営業ツールは「仕事」だと心得ておきましょう。

勝手な思い込みはすぐに捨てて、とにかく目の前の仕事を一生懸命に手がける。これが上阪さんの成功の土台となっているのです。
この記事が、一人でも多くの悩みを抱えていたライターの方に届き、吹っ切れて目の前の一歩を力強く歩み出すことを願います。

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【ライター勉強会とは】第6回ライター勉強会の模様

「ライターが学べる場や環境を増やし、一人でも多くの優秀なライターが生まれること」を目的に、株式会社YOSCAと株式会社LIGが共同開催しているイベントです。当ブログのFacebookページtwitterなどで情報を発信していきますので、随時チェックしてくださいね。